わたくしたち呼吸器内科スタッフは患者さんが安らぎを感じることができるような、周囲との豊かな人間関係を最も大切にしています。スタッフ一人ひとりがそれぞれの良心に従い、自らを成長させたいという強い思いで日々の仕事に取り組んでいます。
優れた臨床医とは基本的な臨床能力を幅広く有するのみならず、患者や家族の立場に立って診断・治療を選択・実施し、他の医療スタッフと円滑に業務を進めていくことのできる人間性に優れた医師であります。優秀で意欲的な学生や研修医を数多く育成し、世の中に送り込むことは極めて重要であり、社会からの強い要請と考えております。
研究面では自分の思考法を磨き独自性を出すことが重要です。
“なぜ”という視点と、得られた結果をもとに、緻密な論理を構築し、
それを論文として表現する過程を大切にしたいと考えます。
研究の意義、研究に対する姿勢、研究の立案と実施に対する様々な知恵、世界の最先端への距離感など、科学としての医学を実感できるような環境作りを目指しています。
わたくしたちは固定観念にとらわれず、新しい考えによる刺激を常に歓迎しています。生物学的多様性の欠如は種の絶滅のリスクを高めるといわれますが、社会や医療の変化に適応し進化していくために、われわれ組織の多様性も極めて重要であると考えています。皆、顔も形も考え方も違った人間です。研究を一生懸命やる人、臨床を一生懸命やる人。喘息に興味がある人、肺がんに興味がある人。そこに優劣は存在しません。大切なのは一人一人の独自性、専門性、価値観をお互いが尊重し、協力することで皆の力を高めていくことであります。このことが患者さんに信頼され、学生や研修医にも魅力的な教室になるための最大の近道だと信じています。
患者さんの意識の変化をはじめ、医療や大学を取り巻く環境の急激な変化のなかで、過去から受け継がれてきた筑波大学呼吸器内科の伝統を大切にしながら、周囲の意見を柔軟に取り入れ、時代の変化に取り残されない教室のあり方を常に模索していきたいと思います。